Conversation about the kingdom of fire

Ideas NOT worth spreading、お前の悪口、そしてお前の肉親の悪口

恐怖、炎、アドレナリン

anond.hatelabo.jp

 

 あたしは拷問が大嫌いだ。心の底から大嫌いだ。こんなものをあと一秒でも放っておくなんて我慢がならない。そして憤怒と共に吹き出す何かが、そのとき、はっきりとした思いとなって燃え上がった。ここはあたしの国だ。ここはあたしの都市だ。他の誰かが許そうとあたしが許すものか。あたかも怒りの火によって精錬され、情熱によって磨かれた重く輝かしいくさびのようなものが、己の根底にいきなり打ち込まれたようだった。
オイレンシュピーゲル4』p.331

 

 冒頭のリンクのような問題についてはどのような状況であれガチンと感情のスイッチが入る。それこそ上記引用の如くに。ほんの一時期、ほんの遊び心で左翼運動に関わっていたことがある。嘉手納基地や国会議事堂前でデモをしたり機動隊にジェラルミンの盾で小突かれたり公安に写真を撮られたりするエクストリームスポーツだ。

 

 最終的には袂を分かつことになった。<労働者>というものに対する無限の神聖化は現状の所謂ブラック企業と似ている。マルクスにより精錬された弁証法は権力的な収奪以外ではなかった。論争でコテンパンにされ、現象学を見い出し、哲学科で研究生をするも、単身レヴィナスの著作に向き合うばかりで、今では在野レヴィナシアンを自任している。

 

  • 恐怖によるマネジメント
  • コスト削減のための人減らしに対する恐怖
  • 個人的な失敗に対する恐怖
  • プロジェクトの失敗に対する恐怖
  • プロジェクトの失敗が確実な場合の個人的非難に対する恐怖

『アドレナリンジャンキー』pp.96-97

 

 プロジェクトが恐怖で運営されている現場も、それが結局より上層からの恐怖によるものであることも、それがもたらす結果についても、散々見て来た。"お客様に頑張りを見せるために土日祝日全て出勤した上で、徹夜して下さい"、"企業努力を見せて下さい。俺は客だぞ"、"お前らはコストだ"……枚挙に暇はない。全てについて抵抗した。メンバーが下についていた場合は猶更。

 

 冒頭のリンクは運がよかったケースなのかも知れない。もっと気力体力とも消耗し尽し、命を絶つ以外道が残されていないケースもあるかも知れない。それでもなお、私は諸賢に要請する。悪に屈することは悪に同意することに他ならない。どうか逃げて欲しい。闘うために逃げて欲しい。私の経験上、何とかなる。

 

トップから最下層まで恐怖によって運営されている組織がある。このような組織にいたら、改善される見込みはない。辞めてしまえ、人生は短い。

『アドレナリンジャンキー』p.96