Conversation about the kingdom of fire

Ideas NOT worth spreading、お前の悪口、そしてお前の肉親の悪口

現代のオッカムの剃刀としてのVillage People

 Village Peopleが相当にHOTであることを畏友伝手で知った("People"という単語の綴り、何十回、何百回書いても自信が持てないが)。

 

 http://blog.livedoor.jp/saqauten/archives/cat_25236.html

 

 例えばこんな具合だ。

すぐにマッチョだってわかるぜ、大胆に歩くから
ウェスタンなシャツとレザー、ボスの格好だ
もちろん体もイカしてる、やつは王様だ
Mr.イーグルと呼べよ、鎖もカッコいいだろ
マッチョが一番信用できるんだ
リーダーっていうものは、派手に着飾ったりしないものだ

俺はマッチョマンになってるぜ
どんどんマッチョになってる

 

 凄い。マッチョが全てを解決するような口振りだ。システム開発業界の名著『人月の神話』においてそのような魔術的・一挙的な解決をして"私たちはこの狼人間を魔法のように鎮めることができる銀の弾を探し求める"(p.168)としていながらもそのようなものはないと断言している。ブルックス先生が『「銀の弾などない」再発射』という補講まで出して繰り返してはいるものの、どう考えてもマッチョであることは銀の弾丸であるように思えてならない。

 

 銀の弾丸は在るよ。ここに在る。

 

 他にも"Y.M.C.Aに入れば全て上手くいく(だからY.M.C.Aに入れ)"、"海軍に入れば全て上手くいく(だから海軍に入れ)"、"西に行けば全て上手く行く(だから西に行け)"等、銀の弾丸の機銃掃射、銀の弾丸責めだ。それ以外の曲が全てこのような語調かどうかは知らない。一体この世の誰がVillage Peopleの全ディスコグラフィを知りたいと思うんだ? そんな人間はいない。だいたいゲイ向けのユニットの名前が「村の人達」というのは酷い言い掛かりじゃないか。

 

 そしてふと気付いたのだが、例えば上記引用の一節"ウェスタンなシャツとレザー、ボスの格好だ(His western shirts and leather, always look so boss)"の"ボス"を"ゲイ"に変えるとそのままSeth Putnamの語法になる。他の何かしら善しとされているものも全部"ゲイ"や"ゲイ・バー"に置換出来る。

 

 私は、それが何であれどのような形であれSeth Putnamに影響を与え得るものが存在するのだ、AxCxもまた歴史の大河の一粒なのだと、そのような在り方を尊いと思う。先述の『人月の神話』でコミュニケーションを論じる際、「バベルの塔は世界最古の失敗プロジェクトだ」との旨紹介されていたが、どれだけ言葉を乱されようと伝わるものは伝わるのだ。繰り返すが、それが何であれ、どのような形であれ。