Manta <TENGU> 鼻男
「刺さる詞を書け」とはバンド界隈でよく言われることらしい。どんなにいい事を言っていても口ずさみたくなるような、耳に残るフレーズじゃないと意味がない、ということだ。早速だが<TENGU>が所属しているMantraというバンドの"鼻男"を何度か視聴したらほとんど歌えるようになっているのが本当に忌まわしい。厭である。
内容としては目も口も耳も手足もない人が近所のボディパーツ屋さんにそれらを買いに行くんだけど何度か繰り返しているうちに自分には鼻が残っているじゃないかと気付き、そこから人生を肯定的に生き始めるというものらしい。よい話のように聞こえるが正直何言ってるのか解らないと思う。書いている私も解っていない。
大学生くらいまで大槻ケンヂを崇拝していたのだが、中学生の頃だったかに筋肉少女帯を聴かされた時は辛かった。Heavy Metalのように聴こえるHeavy Metalではない何か。よく知るHeavy Metalの中に奇妙なものが混じり込んでいるということに、何かしら侵犯されているような抵抗感や生理的不快感を感じていたのだろう。今では適切な距離で愛聴出来るようになった。
カラオケで歌うと嫌がられるが。
畏友に<TENGU>と凄腕のドラマー<うんきめ>がいる。どちらに対しても佳人が警戒心を露わにしている。曰く"極端な異常性を持つモノが普通の人間の格好をしているのが怖い"のだそうだ。人ならぬ異形であればまだよかった、と申していた。人間と彼岸の存在が混在することにより世界が信頼出来ない場所になるということらしい。まさに不気味の谷だ。
そのMantraが2015年09月22日に東京にライヴに来るらしい。お時間会えば是非。存分に厭な思いが出来ると思う。