Conversation about the kingdom of fire

Ideas NOT worth spreading、お前の悪口、そしてお前の肉親の悪口

炎、ファシリテーション、即ちZEN 下

 著者、ラリー・ドレスラーによるとファシリテーターとは在りかつ在らぬ者、対象a、充溢した虚無、つまり田村ゆかり的なるものを指しているように思われる。彼もまたゆかり王国の臣民であるのだ。田村ゆかりとはZENなのだ、否、ZENとは畢竟、田村ゆかりなのだ。先日6つのガイドラインのうち3つを浅くではあるが掘った。今回は残りの3つだ。ようやくこの本も本棚に仕舞える。

 

自分の役割を明確に意識する

 自分の役割を明確に意識するとは

 いかなる状況にあっても、プロとしての誠実さを歩ちながら「グループのための存在」という意識を忘れないことである。そのためには、どんな場面でも方向を見失わないでいるための羅針盤が必要だ。羅針盤は、自分の志を意識し、それに従って生きることを決意することから生まれる。志は、個人としての生き方を律するだけでなく、方向性が失われた議論の中で一貫性のある適切なアクションを選択する静かな力の源泉ともなる。
 p.120

ファシリテーターとして守るべき基本原則は何か

  • 想定外は必ず起きる。予測できるようなら「想定外」とは言わない。入念な計画も、現場では役に立たないことが少なくない
  • 知恵は参加者が持っているそれを引き出すための条件を揃えるのが、私の役割だ
  • 創造的かつ全員のプロセスを作り出すためには、少数派や発言力の低いの人の意見を含む全ての声に耳を傾けなければならない
  • 人が怒りや恐れをぶつけてくる時、私に原因があることはほぼない。だから、気にしない
  • 穏やかな気持ちでしっかりと受け止める。それによって会議室の中の変化だけでなく、その外の変化の触媒となりうる

 pp.123-124

 

 自分の役割を明確に意識するために必要なこと

  • 明確な理解:自分の志と羅針盤が明確に理解されていると、目先の動きや感情に振り回されない
  • コミットメント:自分の志にコミットするのは、戦いに赴く神聖な近いのようなもの

 自分の役割を明確に意識していると何が変わるのか

  • 統一感:アッシジの聖フランチェスコ曰く「自分で実践していなければ、どんな説教も空虚である」
  • 勇気:自分のミッションに突き動かされ、恐れを超えて一歩踏み出すこと。恐れを知らぬこととは違う
  • 自然体:過剰な自意識やよく思われたいという気持ちからの解放
  • 自分の役割を見極める:何に命を使うのか見極め、不要なものは破棄する

 

意外性を楽しむ
 意外性を楽しむとは

 私たちを動揺させる想定外の出来事に直面した時に、それに抵抗するのではなく、スムーズに受け入れ、柔軟に対応するということである。ありのままの現実を受け入れながら、それにクリエイティブに取り組むことだ。
 (中略)ハリソン・オーエンは意外性を楽しむ能力を手に入れた人々を「サーファー」と呼び、著書Wave Riderの中で「普通は行き詰まり、大失敗としか考えられない状況を、むしろ好機ととらえ、流れに逆らわずにそれを利用して楽しむ能力持った、好奇心いっぱいの人たち」と描写している。サーファーは計画的、論理的にものごとを進め、しっかりプロセスを事前に検討しておくことを実は重視している人たちだが、同時にその限界も熟知している。
 p.144

 

 意外性を楽しむために必要なこと

  • こだわりを捨てる:自分のこだわりと意識し、言葉で表し、それを手放す
  • 遊び心を持つ:"何が正しいか"ではなく"どうすればうまくいくか"を考えると自由になれる
  • 必ずうまくいくと確信する:盲信とは似て異なる。本質に立ち返り、可能性・羅針盤を探し求めることにより得られる確信である

 意外性を楽しめるようになると、何が変わるのか

  • アジリティ:素早く適応すること。所謂"後の先"ってやつ
  • 自信:何が起こっても何とか出来る

 

共感力を養う
 共感力を養うとは

 「共感」「思いやり」を意味するヘブライ語はrachamimという。その語源となったrechemは「子宮」を意味する。そう考えると「思いやり」とは、人のつながりや母性のような優しさを意味することになる。
 共感力を持つことは、対立を嫌ったり、頑張るよう叱咤することを避けることではない。むしろあえて対立を際立たせたり、厳しい対応を迫ることも、共感力のあるファシリテーターには求められる。注意したいのは、共感と道場は異なるということだ。同情や哀れみは、グループを被害者として扱うものでしかない。
 意外かもしれないが、他人を思いやるためには、まず自分を思いやる心を養う必要がある。自分の中にある罪の意識や自己否定、自己嫌悪に気づき、自分に優しくなる必要がある。
 pp.163-164

 

 共感力を養うために必要なこと

  • 感情受容力:心の鎧を脱ぐこと。自分の感情面の弱さを理解すること
  • 自己受容:人は自分の中で最も拒否していることを他人に投影する。"影"を受容し、仲直りすること
  • 全体知覚:その人をその場(あるシチュエーションのみ)で判断しない。大きな背景があり、その人が在ることを意識する
  • 無条件の肯定的受容:その人がどんな人であろうと、無条件に尊重に値する者として受け入れること

 共感力を養うと何が変わるのか

  • 癒し:声が小さい人や傷ついた人を優しく受容。場が共闘の雰囲気になる
  • 信頼:読んで字の如く。参加者が普段通り行動出来る場を提供することが出来る
  • 愛:共感力に裏打ちされた愛は共鳴のエネルギーを伝播させることが出来る

 

 後半には今まで語ったガイドラインに従いNichijoDojoでのZEN修行の方法が記してある。田村ゆかりに感謝しろ。