Nein! Abuse Asylum
元気に風邪で自らのカルマを落とす修行をしているのだが<Doctor Slaughter>に会いに行かねばならないため、泣く泣く外出する。ついでに循環器内科の先生のところに寄ってお薬を頂く。この先生、私については「あー」と「お薬出しますね」くらいしか言わない。よっぽど模範的な風邪のひき方をしているのだろうか。
今回の主な目的は<Doctor Slaughter>に<Kill Pill>を減らしたい旨を告げることだ。減薬という行程で、ここで苦しむ人が多いらしい。しかし、私は身体の動きに頭がぼんやりしてついて行かないことに現在苛立ちを感じているため、これに踏み切った次第だ。苦しむなら苦しむがいい。苦しみを受容しろ。田村ゆかりに感謝しろ。
やや緊張気味に<Doctor Slaughter>のオペ室に入る。"その後具合は如何ですか?"、"はい、順調です!"、"でも、お風邪めしてますよね?"。<Doctor Slaughter>、あんたは心をFIXする人じゃないか。なぜ風邪の事を気にするんだ。ことメンタルヘルスに関して、私は模範囚もかくやであり、尋常じゃない回復速度であったためか、減薬の申し出はすんなり通った。心療内科<Abuse Asylum>から脱出する日も近いようだ。
ところでSound Horizonの『Nein』について。ドイツ語の"Nein"とは英語の"No"を意味し、発音としては英語の"Nine"と似ているためか、9作目という位置づけらしい。収録曲11曲、その殆どが8分を超える。そのうち2枚組コンセプトアルバムとかいう地獄が垣間見れるかも知れない。
今作はSound Horizonの特異点で、ちょっとした総集編としても楽しめると思う(なお、怖い人たちによる詳しい考察はこちら*。さあ"聖戦のイベリア"の始まりだ)。今までの物語を否しめる"No"、数秘学で10は完全を表すが、9は非常に不安定な数字である。10がHorizonであるとしたら収録曲が11曲であるとは、Horizonの外にあるという意味にもとれる。
*:だいたいね。先述の怖い人たちの詳しい考察ってこんなレベルですよ。迂闊に足を踏み入れると灼熱の炎にその身を焼かれるぞ。そも、こんな問題を呈示する方もする方だし、解く方も大概だ。恐ろし。
話は突然変わるけれど(きっと<Doctor Slaughter>に処方された<Kill Pill>のせいだ)。不思議な偶然もあるもので、DissectionというBlack Metalバンドの最後の作品『Reinkaos』は9年前の作品、かつ収録曲の"Beyond the Horizon"にて"Eleven to Kill the Ten"と歌っていた。9と11。なんとも不思議な一致だ。それはそれとして、だ。Dissectionは主要メンバーの自殺によりもう新譜は出ない。最後の作品というのはそういうことだ。
あんたがいなくて本当に寂しいよ。