Conversation about the kingdom of fire

Ideas NOT worth spreading、お前の悪口、そしてお前の肉親の悪口

Black Metal ZEN 或いは自己啓発ポルノ

 昨年、どういう経緯からかBlack Metalのバンドでギターを担当させて頂く運びとなり、私なりに頑張っている。

 

 当バンドは遅くて鈍いBlack Metalを標榜しており、今までBPM300弱くらいが気持ちいいよねくらいの感覚でいた私の価値観を破砕しては再構築する日々だ。そもそも私はBlack Metalにあまり詳しいわけではない上に異形のBlack Metalとな? そもそもBlack Metalのような荒々しいアプローチの音楽がHeavy Metalの一種として聞こえる(Hard Coreの一種としては聞こえない)ということ自体、相当に不思議である。

 

 Vocalの方が"Black Metalって禅みたい"と仰っていたが、本当にその通りだと思う。ことアンサンブルに関してJudas PriestやMotley CrueもそうなんだけどBlack Metalはあまり頻繁に曲中にアクセントを入れないようだ。Thrash Metal畑の人間としてはそれはとても不思議なことで、実に成熟した演奏であるように思われるが、実際は非常に荒々しい。矛盾した要件が何だか仲良く同居してしまっている。ZENだ。

 

 先にMotley Crueの話が出てきたけど、私は元々German Metalで育ったので、遅い曲をアルバムに収録する意味が分からない、ぐらいの感覚だったのだが、このバンドのお蔭でアンサンブル、リフの鋭さ、トーンの意図等意識出来るようになってきており、Motley Crueの初期やDef Leppardの初期あたりのパーティロックになりきれない憂鬱で獰猛な何かが最高じゃないか、と日々掘っている。感謝のHeavy Metal温故知新だ。

 

 鈍く遅い、という要件について。それらと重さは直結しないのだ、荒々しく弾くことによって必ずしも荒々しくなるわけではない、丁寧にミュートした方が何故かBlack Metal然として響く、などなどZEN尽くしであり、高野山の禅僧もかくやのブレイクスルー三昧だ。それが苦しくも楽しい(遅い曲って難しいんだな!)日々で、誘ってくれた畏友への感謝は尽きない。5月23日にライヴもやるから来てね。


 追記:修行道場.comというサイトを発見したのでご紹介する次第。これは"自己啓発ポルノ by 僧"とでも呼べばよいのだろうか。メロスはビジネスが分からぬ。