広告、TA、地下室の手記
某広告が差別的だという理由で配信中止になったらしい。名著、『マーケティング戦争』には<炎上戦>という戦術は紹介されていなかったが? ともあれ、差別とは不当に権限が制限されている状態であるとは周知の通り。それは何者かを打倒したり、何者かから奪還したりすれば解決する、という考え方はもう失効しているように思えてならない。幸か不幸か、魔王や冗談みたいな暴君は最早いないからだ。
話が<革命>の方向に逸れた。上記広告以前から広告自体の強迫性に些かうんざりしていた。右を見ても左を見ても"○○しないと××になるぜ"ということが書いてある。やれやれ、と上を見るとより金のかかったそれが動画だったりする。東京はディストピアか。逆に脅迫的ではないものを探すように広告を繁々と見つめる場合もある。要するに、ちょっとピリピリしているのだ。
そんな矢先。
何の因果か、前世によほど悪いことをしたのか、有志によるマーケティング講座のTAをすることになった。TAとは本来、Torturing Assasination、つまりサディステックで凶悪な暗殺という意味だが、今日はTeaching Assistant(教員補佐、くらいのニュアンスか)という意味で使われることが多いようだ。講義する対象は大学生。死と太陽と無垢無垢しい大学生は直視出来ないと言ったのは、ラ・ロシュフコーだったか、どうだったか。
取り敢えず、私は彼らに取り返しのつかない傷を付けるつもりでいる。いきなりドストエフスキーの『地下室の手記』を手渡すような、徹底的な邪悪を悦びを以て行う。それこそ、本来の意味のTAとして。大任である。
蛇足ではあるが、TAの語源の話は君を騙すための嘘だ。