Conversation about the kingdom of fire

Ideas NOT worth spreading、お前の悪口、そしてお前の肉親の悪口

ガジュマル、シンゴニウム、ハムスター

 飼ったことのあるペットとしてはジュウシマツと柴犬、そして沢山の虫。

 

 ジュウシマツは蛇の襲撃に合い、柴犬(ピーコさんと謂う)は引っ越しの際に引き取ってもらった。虫は、夏ごとに大量虐殺を繰り返した。あまりに簡単に消えてしまう命の焔。カブトムシもクワガタもあまりに脆い。一晩立ったら、虫籠の中のミヤマクワガタ以外、全てが斬首されていたということもある(ミヤマ強い)。

 

 私は小さな命が恐ろしい。消えてしまうことも、それに対する自らの酷薄さも。思えば、半生の殆どを恐怖の中で過ごしていたような気がする。恐怖が足りなければ自分で追い込む。恐怖がない状態が不安になる。"ぶんぶん言って"いたり、"黄色"かったりしないと不意打ちを受けそうで恐ろしい。私は恐怖を恐怖し、同時に求めてもいる。私は恐怖に依存している。

 

 そんなわけで佳人のペットを飼おうという提案を頑なに拒否してきたのだが、それをもう止めよう。そのような想念がふと到来した。そして上記のような状態にあることに気付いた次第。私は恐怖に依存している。依存する必要はないのではないか。小さな命を大切にすることが出来るのではないか。私は変化するべき時ではないのか。

 

 様々な手続きや交渉の末、今や大家族だ。OK、アリーナ。今夜のイカれた家族を紹介するぜ。

 

  • ミーチャ:ガジュマル、
  • ワーニャ:シンゴニウム
  • エマ  :キンクマハムスター

 

 植物に関して、何故か『カラマーゾフの兄弟』が名前の由来となっている。ミーチャはミーチャらしく生に貪欲で、ワーニャはワーニャらしく、繊細である。ここまで来たからにはハムスターはアリョーシャになりそうなものなのだが、ハムスターが女の子である、そもそも佳人がアリョーシャを快く思っていない、等々の経緯もあり、名付けは難航を極めた。

 

 "他者とは暴力として出逢われることもあるのではないか"と言ったのはデリダだったか。ペットショップでハムスターと面会中、佳人がいきなり指を噛まれた。噛まれたというよりは、傷痕からして鋭利な牙で刺し貫かれたと言った方がニュアンス的に近い。その一件があったからとは言わないが、優しく、穏やかに暮らして欲しいという願いを込めて、かの<顔>と<他者>、倫理と信仰の哲学者、エマニュエル・レヴィナスおじさまから名前をお借りして、エマとなった。

 

 コンゴトモヨロシク。