ソフトウェア、ハードウェア、アラン・ケイ
Raspberry Piを買ったよ。
システムエンジニア、SIerの経験が長いということは、言葉は悪いけれど、街で一番安っぽい年老いた街娼という意味とほぼ同義である。私もそのような者なのだけれど、いくら勉強してもハードウェアのこと、オペレーティングシステム(以下、OSと呼称する)のことがなかなか頭に入ってこない。情報処理技術者試験では教科書の知識だけで何とか乗り切れたけれども、ずっと本質的ではない事をしているというような、自責の念があった。
アラン・ケイも言っている。曰く"People who are really serious about software should make their own hardware"(本当に真剣にソフトウェアを考えてる人はハードウェアを作らにゃいかんよ)。長年アプリケーション屋さんをして来た身としては背中をよくしなる結構重い棒で打たれている気分だ。
脱線するが、畏友はアプリケーション屋さんの事を"アプリカント"と称する。素敵。
話を元に戻すと、今一度、きちんとエンジニアリングに向き合いたくなったのでRaspberry Piを買った次第。これはようするに超小型(煙草の箱とそう変わらない大きさ)の教育用パーソナルコンピューターくらいに考えて貰っていい。
この子を一からセットアップして生のハードウェアにOSを入れてかっこいいアプリケーション開発環境とか作っちゃおうって寸法だ。これでようやくアプリケーション屋さんの仕事の前提が出来上がることになる。上手く出来るか判らないけど、すごくわくわくする。
上記のような作業をハッカー達は"Bare MetalをHackする"とか言うらしい。剥き出しの機械を手早くコントロール下に置く、くらいの意味だ。かっこいい。私はプログラミングに必要なことはだいたいRubyから教わったのでRubyで何か作りたい。その界隈のエッジの効いたジョークに憧れてプログラミングを本格的に勉強し始め、"Hello, World"したり、デザインパターンの写経をしてオブジェクト指向を理解した(……つもり)。恩返ししたいし、最終的にアラン・ケイに一泡吹かせたい。
あと、OSのKernelを書き換えるとか、やってみたい。
なお、人生にあまり必要ではないこと、或いは望ましくないことはファイナルファンタジー14というオンラインゲームから学んだ。要領が悪いと同じ作業を2000回行うことを要求するゲームって何だよ。それは精神刑ではないのか。私はそこそこ要領良くやっていたと思うのだが、それでも試行回数が2000回から数百回になる程度だ。正直なところ、"これはどれだけ人間に同じことをやらせ続けると発狂するのか、という実験ではないか"と疑うに至った。
発狂していたのは私だったのか、開発者だったのか。判断は諸賢に委ねる。