Conversation about the kingdom of fire

Ideas NOT worth spreading、お前の悪口、そしてお前の肉親の悪口

病魔、Perfume、即ちアンサンブル


 無事再就職先も決まったので安心して風邪をひいている。

 

 私は年4回、季節の変わり目に必ず重症の風邪をひくことにしている。流儀として。人間よ、自然に還れ。時とアンサンブルを奏でよ。何年も風邪をひいたことがないという人も周囲におられるが理解が出来ない。39度から38度に下がった時とか凄く愉しいのに。だいたいそんな頑強な身体で以て何と戦う御積もりか。本当は私だって風邪なんかひきたくない。

 

 Motley Crueと仲直りした旨、前に書いたと思うのだがその時畏友から「あのギタリストはアンサンブル感に優れている」という話を聞いた。アンサンブル感。確かにそうかも知れない。重く太い音像に反してあの軽やかさ、しなやかさ。アンサンブル感、と聞いてPerfumeのDVDを買いに走った。ギタリストの末席を汚す身として、何かしら気付きがあるような気がしたのだ。

 

 PerfumeのDVDは気圧される出来だった。あの一歩踏み外したら全て崩壊しそうな幾何学的なダンスを涼しい笑顔でやってのける様には文字通り息を呑む始末で、観ていて苦しくなった。私、正直あの会場に居たくない。私がリズムを外すと全部狂いそうで恐ろしい。ある作家さんが「あの快感はブルース・リーに似ている」と称していたが。確かに似ている。

 

 凄いなーと思って調べていたら、どうもアイドル扱いされているらしい。Perfumeもアイドルなのか。アイドルって何処までがアイドルで何処からアイドルじゃないんだ。PerfumeがアイドルならKing of Popだってアイドルの範疇で語らなければならない。"ねぇ"の高速ステップをみんなして練習する様はスーパーギタリストをコピーするそれに似ている。克己、ただ克己である。PerfumeはむしろHeavy Metalに近いように思われる。

 

 なお、残念なことに私のギタープレイにPerfumeは何の影響も及ぼさなかった。