Mad Marketing Massacre Vol.1
有志によるマーケティング講座でカルマ落としとしてTAをしていることは以前書いた。今後どれだけコミットしていけるか分からないが、可能な限りアウトプットを記録していきたい。来世システムエンジニアなどに生まれてしまわぬように徳を積まねばならないからだ(システムエンジニア、特にSIerは職業ではなく前世の悪行に対する仏罰だと思って間違いはない)。以下、有志によるマーケティング講座を<Mad Marketing Massacre>と呼称する。
何かアイディアを出すにあたり様々なツールがあるらしい。例えば"KJ法"、例えば"ブレインストーミング"等。それらの一種として今回は"アサンプション・スマッシング"を中心に講義を行った。"アサンプション・スマッシング"とは下記の段取りを踏む。
- 問題を明文化する
- 問題の前提を洗い出す
- その前提を覆す
- 上記を踏まえ、新しいアイディアを出す
文字通り、ある問題について、暗黙裡に前提としてしまっていること(Assumption)を列挙し、それを破壊(Smashing)する、という方法だ。例えば"かっこいいHeavy Metalを作りたい"という問題を明文化したとしよう。
<前提>
- Heavy Metalにはリフが沢山ある
- Heavy Metalは音が重い
- Heavy Metalはテンポが速い
- Heavy Metalはメロディがある
- Heavy Metalは曲展開がある
<覆し>
- Heavy Metalはリフが少ない
- Heavy Metalは音が軽い
- Heavy Metalはテンポが遅い
- Heavy Metalはメロディがない
- Heavy Metalは曲展開がない
(覆しによる気付きをアイディアにするために愉しく揉み揉みする)
<アイディア>
- 曲展開せず、延々軽い音(ミドルが強い音)で単調な1リフをズリズリ遅いテンポで続けるかっこいいHeavy Metal
<Mad Marketing Massacre>における実際のワークとしてはKJ法のように1文を1枚のポストイットに貼り付け、ブレインストーミング的なアプローチで前提やアイディアを沢山出しつつ……といったいくつかのツールのミックスのようなやり方だったが、私の好みにあった。"暗黙裡に前提としてしまっていること"とは現象学で臆見(ドクサ)と呼ぶ。現象学派、在野レヴィナシアン(エマニュエル・レヴィナスファンのこと)を自任している私にとって、上記手法は現象学的アプローチに見えるからだ。やっぱり、どこまで行っても私はレヴィナスおじさんが大好きなのだ。
それにしても今の大学生は本当に賢い。私、27歳ぐらいの頃に物心ついたのに。いや、まだ物心ついてないかも知れない。